ロード・オブ・ザ・ビットコイン2（猫でもわかる仮想通貨の物語2）

こんにちは、仮想通貨のブロガーをしている OkuriJun (@okuribitomato) です。


猫でも（誰でも）わかるように説明することを心がけています。この記事では猫でも楽しく読めるように仮想通貨（ビットコイン）がどのようなものか、物語（フィクション）でお届けします。


小説を読んでいるような感覚で読み進めてください。ビットコインのことがなんとなくわかるようになります。


実際のビットコインの誕生と近いことは話をしますが、フィクションです。


この記事は仮想通貨をはじめて触る人を対象に次の悩みを解決します。

ロード・オブ・ザ・ビットコイン 〜第1-2章〜

こちらの記事からお読みください。本記事は続きになります。

仮想通貨をはじめたい方はこちらを見てください。

ロード・オブ・ザ・ビットコイン 〜第3章 仮想通貨が価値を持つ〜

ビットコインがシステムになった日

カクカクシカジカあり、サトシはビットコインという大発明をした。


そこから試行錯誤し、2008年サトシはビットコインの論文を書き上げた。さらに翌年にはビットコインのジャポニカ学習帳での取引履歴管理をやめて、システム化を目指していた。


久しぶりにタケシに会うと「目の下のクマがひどいぞ。どうしたんだ？サトシ」と言われた。システム作るのは簡単ではなく、寝る間も惜しんでパソコンに向き合っていた。思えばご飯もあまり食べてなかった。


タケシに言われて鏡を見ると、たしかにひどいクマだ。このままでは体を壊すと思い、食事と睡眠は大事にしようと決めた。


それから数カ月後、なんとかビットコインのシステムが完成した。やっとできた、とつぶやき、胸をなでおろす。誰に言われるでもなく、誰が使うかも分からないシステムだったが完成したとき達成感はあった。安心したのか疲れがでてベッドに倒れ込んだ。目が覚めたときには20時間も経っていた。今日は仕事もないからしっかり休もう。


次の日タケシとカスミにビットコインのシステムを使ってもらうことにした。システム化してビットコインの取引履歴をつける作業は誰にでもできるようになった。作業をするとタケシやカスミは報酬としてビットコインをもらった。


面白くなって3人は取引履歴をつけてはビットコインを集めるようになった。誰が言い出したか忘れたが、この取引履歴をつけてビットコインを貰う作業を「マイニング」と呼ぶようになっていた。どうやらマイニングとは採掘という意味らしい。地中深くに埋まっているビットコインを掘り起こすようなイメージなのだとか。呼び方はどうであれ宝探しのような感覚が3人をワクワクさせた。


サトシは日頃からビットコインのことをSNSでつぶやいていた。するとビットコインを面白がる人が現れ数名からDMをもらった。ひとりでシステムを管理するのは難しいと考えていたので、連絡をもらった中からエンジニアを採用した。といってもお金は払えないので、ボランティアという形だ。


何人か採用しチームビットコインが誕生。せっかくだから記念に「Bitcoin Forum（ビットコインフォーラム）」を設立した。


さらに驚いたのはビットコインに価値がついたことだ。2009年10月5日に1BTC＝約0.07円という価値がついた。多いのか少ないのか分からないけど、認められた気がして嬉しかった。そこからビットコインを広める活動を続けた。


そんなあるときタケシは「ピザパーティーしない？ビットコインで払ってみようよ」と提案してきた。


すぐにみんなは承諾した。その場にいた全員がビットコインを使ってみたかったのだ。すぐにピザ屋に電話して、ピザを2枚注文した。ピザ2枚を1万ビットコインで支払った。


みんなは顔を合わせ「本当にビットコインでモノが買えた！」とハイタッチをし、コーラで乾杯した。このときの感動は忘れられない。

消えたサトシと上昇気流のビットコイン

翌週から突然サトシは顔を出さなくなった。連絡しても返信がない。それならまだ良かったが行方も分からなくなっていた。カスミとタケシは火の中、水の中、草の中、森の中、雲の中、ついにはあの子のスカートの中を探したがサトシはいなかった。なかなか大変だけど、諦めるわけにはいかなかった。


カスミとタケシ、それとビットコインを運用している仲間たちの必死の捜索にも関わらず、サトシは見つからない。数週間後、サトシの無事を祈りつつ、少しずつ捜査は縮小していった。


サトシ不在のままビットコインは有名になりはじめる。ビットコインを取り扱う会社が現れたのだ。


その名もマウントゴックス。なんか強そうな名前だとタケシは思った。2010年7月18日にマウントゴックスで簡単にビットコインが買えるようになった。このとき1BTC＝7円。2009年は0.07円だから100倍の価値になっていた。驚きを隠せない。


しかしビットコインの快進撃はまだ終わらない。2011年4月にアメリカのTIME誌がビットコインを取り上げたのだ。一躍有名になり、ビットコインの価格は膨れ上がった。2011年6月には1BTC=1400円。信じられない金額になった。


もともと取引履歴は誰が記録しても良いことになっていたので、次々にマイニングをやりたいと言い出す人が増えた。報酬でビットコインがもらえるからだ。そこから一気に世界中でビットコインの記録がされるようになった。数えられないほどのコンピュータがビットコインのマイニングをはじめた。


マイニングをしたからといって全員にビットコインがもらえるわけではなく一番最初に取引履歴を記録した人に報酬としてビットコインが支払われる仕組みになっていた。その履歴は誰でも見れたし、世界中のコンピュータにデータが保存された。


1BTC=1400円もの値段がつき有名になったのでセキュリティが大丈夫なのか世間は気になりだした。誰かがハッキングしてプログラムを書き換えたらどうなるんだろう？そんな不安がSNSで言われるようになった。そのあたりはビットコインを作った段階でサトシもわかっていたのでセキュリティを考慮していた。


プログラムを書き換えるには全体の半分の人が同意しないと変更できないようにしていたのだ。サトシが1人で管理していたときは簡単に変更できたが、いまや世界中でビットコインのマイニングがされている。プログラムを変更するにはこのマイニングをしている人の半分が同意する必要があった。そう簡単ではないし、1人ではどうにもならない。


サトシがいなくなり、ビットコインはみんなで管理する状態になった。誰かが制限したり制御したりできない状態とも言える。アメリカの大統領がビットコインを止めろ！と言ってももう止まることはないのだ。コンピュータが動き続ける限り、世界中にビットコインをやる人がいる限り動き続けるシステムになった。


誰かがビットコインのデータが入ったコンピュータを破壊しても意味がない。なぜなら他のビットコインのデータが入ったコンピュータがあれば何度でも復活できてしまう。世界中のビットコインのコンピュータをすべて壊せば止まるが、それは不可能に近い。壊れても何度でも復活しアメーバのように広がっていった。


タケシとカスミはもう止まることのないシステムを手伝っていたと考えると、少しゾっとした。そしてビットコインの価格がどんどん上がっていくので怖くなっていた。初期からビットコインに関わっていたタケシとカスミは大量のビットコインを保持していたため意図せず億万長者に近づいていた。


ピザパーティーをしていたときは1BTC=0.07円だったのに2013年には10万円を突破した。大幅に価格が上がったのはヨーロッパにあるキプロス共和国が関係していた。


キプロス共和国の金融危機により銀行でお金が引き出せない事態になっていた。さらに普段使っていたユーロも価値が下がってしまった。ユーロを持っていてもどうなるか分からない！と人々は国に縛られないデジタルなお金のようなものとしてビットコインを買い集めた。すると価格がどんどん釣り上がりビットコインは10万円を超えた。


しかし、2014年に価格が暴落する大事件が起きる。ビットコインを取り扱っていたマウントゴックスが経営破綻したのだ。


順調に価格が上がっていたが一気に値を下げ価格は1万8千円となった。大量にビットコインを保有しているタケシとカスミはいくらが適正価格か分からないので混乱していた。もはや高いのか安いのか分からない。


大事件があったが、そこで終わらないのがビットコイン。次々にビットコインを取り扱う企業が増えていった。


ここからビットコインとサトシの行方はどうなってしまうのか。

ロード・オブ・ザ・ビットコイン 〜第3章〜

続きはこちらから読めます。

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