貨幣の歴史をひもとく|暗号資産(仮想通貨)取引の前に学ぶお金

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お金(貨幣)の歴史について教えてください。

このお悩みにお答えします。

本記事の内容

  • 貨幣の歴史

普段何気なく使っている「お金」ですが、その歴史を知っているでしょうか。昔は物々交換が主流でした。たとえば家で採れた野菜と、隣の家で採れた果物を交換していました。

物々交換では交換できる限界があったため登場したのが「お金」です。お金も「貝」などから「貨幣」に代わり「紙幣」になり、今ではQRコード決済、ビットコインなどカタチを変えています。

その歴史を紐解きながら学んでみましょう。書籍「ビットコイン・スタンダード」を参考にしています。

誰でも分かるように説明しますね!

もくじ

暗号資産(仮想通貨)取引の前に学ぶお金|貨幣とは?

お金ができる前は、物々交換(直接交換)をしていました。

これは顔見知りであったり、物々交換できる距離に住んでいたりといった条件が必要でした。とくに小さなコミュニティーの中で機能するのが物々交換です。

コミュニティーの規模が拡大していくと、物々交換では対応できなくなります。理由は主に3つです。

  • 交換する対象の価値が同じではないため物々交換できない
    • 自動車1台とリンゴ1個は価値が違うため交換できない
  • 期間で価値が変わるものは物々交換できない
    • 物々交換で魚が20匹必要だった場合、漁で5匹釣れ、一週間後に5匹釣れ、とやっている間に魚がくさってしまう
  • 場所が移動できないものは物々交換できない
    • Aさんの家と、Bさんの家を物々交換しても、家自体を動かすことができない

この問題を解決するのが「間接交換」です。モノとモノの間に同じ価値のものを挟むことで、交換できなかったものを交換するようになりました。

間に挟むモノとして登場したのが「お金」です。お金により次の交換が可能となりました。

NG:「リンゴ → 自動車」
OK:「リンゴ → お金 → 自動車」

お金を間に挟むことでリンゴを作る農家でも自動車を買えるようになったのです。画期的なアイデアです。

リンゴなどの食物は時間が経つと腐ってしまうため、採れた段階でお金と交換します。そして、リンゴをお金に交換することを繰り返し、自動車と同じ価値になるまでお金を貯めることで、最終的にお金と自動車を交換できる仕組みです。

つまり、お金は「何かと交換するためのモノ」なのです。お金には交換以外の機能は持ちません。貨幣は様々な形がありました。

貨幣

貴金属、貝殻、石、塩、牛、政府発行紙幣、貴石、酒類、タバコなど


どれがいいというわけではなく、みんな価値のあるものだと認識すれば、それが貨幣として機能するのです。特徴としては、その時代ごとに簡単には作れないもの、簡単に手に入れられないものが貨幣として選ばれています。

先程の物々交換での問題点が貨幣であれば解決できます。

  • 交換する対象の価値が同じでなくても交換できる
    • 交換対象と同じ価値になるまで貨幣を獲得することで交換可能。貨幣は貯めることができる
  • 期間で価値が変わるもでも交換できる
    • 貨幣を持っていれば、その時点で交換が可能。時間がたっても貨幣はくさらない
  • 場所が移動できないものでも交換できる
    • 家と貨幣を交換することができる。貨幣は持ち運びも簡単

貨幣を機能させるために供給量のコントロールが必要です。

100円が世の中に1000枚しかなければ、かなり貴重なものとなります。

しかし「明日から100万枚に増やします」となったらどうでしょうか。100円の価値が下がり、いままで100円と交換できたものが、10000円必要となってしまうかもしれません。

また既に発行している貨幣も年月により壊れるため、貨幣の減る量と増やす量をコントロールしながら全体を調整していきます。いま存在する全体のお金の量をストック、新しく生産する量をフローといいます。

お金は特別なものだと思っていたけれど「何かと交換するためのモノ」なんですね!

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暗号資産(仮想通貨)取引の前に学ぶお金|原始貨幣とは?


歴史の中にはミクロネシア連邦ヤップ島で使われていたフェイという石貨があります。

出典:wikipedia


石はヤップ島にはない石灰石で、近隣の島から運び込まれました。採石してカヌーで運搬とかなり労力が必要とします。つまり簡単には手に入らないものです。

大きいものだと4トンもの石を貨幣としました。物理的には動かせません。

一つ一つの石は島で誰の所有物か把握し、全員で管理していました。石を使ったら所有者が代わり、それを島の人々に告知するカタチです。

AさんはBさんからイカダを買ったので、Aさんのフェイの所有権はBさんに移ります」というアナウンスが島全体にされます。

誰の所有か全員が分かっていたので盗むことはできませんでした。この仕組はビットコインに似ています。しかし、フェイはほとんど使われなくなります。

よそ者がヤップ島に違う石を持ち込んだためです。他の石も貨幣として認めたことで、フェイの価値が大きく下がりモノと交換できなくなってしまいました。フェイは採掘や持ち運びが大変なので価値が認められていましたが、他のものが混ざることでお金の量が増えてしまい価値が下ったのです。

このようにストック・フロー比率が低下すると貨幣として使えなくなります(価値を失う)。

意図せずとも供給量が増えてしまうとお金の価値は下がってしまうのですね

暗号資産(仮想通貨)取引の前に学ぶお金|金属貨幣とは?

最初は石や貝だった貨幣も技術の進化で金属に変わっていきました。

当初は重量により価値を決めていましたが技術が発達すると、硬貨に刻印することで価値を示すことができ、重さを測る必要がなくなりました。

特に金銀銅が貨幣として広く使われ始めます。歴史上はじめて金が作られたのはギリシャ王クロイソスの時代。それから2500年間に渡り金貨、銀貨、銅貨は使われました。

19世紀に入ると紙幣小切手が交換手段として使われるようになりました。紙幣は価値を維持するためにいつでも金と交換可能でした。交換は国で行えるため安心して紙幣が使えました。

しかし、次第に金の価値を上回る紙幣を発行するようになります。つまり保持している金より多くの紙幣が出回ってしまったのです。

その結果、貨幣価値が下がり、貨幣を保有する国民の資産が徐々に政府と銀行に奪われていきました。

また紙幣の価値を守るためには金でも銀でもよく、何を対象とするかは国が決めていました。ここで金を選んだか、銀を選んだかでその後の国家資産に大きく影響します。

各国が徐々に銀から金へ変更していったのです。最後まで残ったのは中国と香港で1935年に金に移行しました。これにより当初、金1オンスあたり銀12〜15オンスで推移してましたが、銀から金への移行がはじまり銀が大暴落。2017年には金1オンスあたり銀貨75オンスまで価値が下がりました。

銀から金への移行に遅れたインドや中国は、資産の大半を失いました。

ついに金はすべて銀行で管理されるようになりました。金は期間、規模、場所をすべて備えたすぐれた貨幣でしたが紙幣が広がったことで、現金のしての機能を失ったのです。

20世紀の貨幣は政府による中央集権を許したカタチです。政府は中央銀行を創設し、国民の金を自らの支配下に置くことに成功し、お金の管理はドルへと移りました。

そして、1971年にはついに金が廃貨となりました

世界的に見ても「金」に価値があることがわかりました!また中央集権により管理されていることが分かりました

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暗号資産(仮想通貨)取引の前に学ぶお金|法定貨幣とは?

第一世界大戦を機に、政府が法令で通用を強制する法定通貨がはじまりました。政府が発行する貨幣のことを法定通貨といいます。

特徴は「金と交換できる紙幣」「交換できない紙幣」があることです。いままでは紙幣と金を国民が自由に交換できたのですが、法定通貨により紙幣と金を交換できなくなりました。

法定通貨は政府が金を保有することを前提に貨幣として受容しています。価値が裏付けされない法令通貨はありません。国は金を保有しているが交換はできない、という状況です。

1922年にジェノバ会議にて国際条約が締結され、この条約で米国ドルと英国ポンドが準備通貨に選定されました。

準備通貨とは中央銀行が準備金として保有する通貨なので、金のようなものです。

その後、通貨が膨張しアメリカの住宅市場と株式市場でバブルが発生しました。そしてバブルが弾けた1929年に大恐慌が起きました

当時の大統領のフーバーは自然に景気は回復するだろうと何もしなかったが事態は好転せず、それを引き継いだルーズベルト大統領が積極的に介入して景気は回復しました。

このような危機を起こす原因は、通貨膨張です。1933年にルーズベルト大統領は金の私的保有を禁止にし、国民から金を奪い米国ドルを与えました。これが通過膨張の結末です。

このような政策により、国民は国の管理下に置くカタチになりました。

第二次世界大戦。戦争は景気回復の起爆剤でした。兵士を増やした結果、失業者は激減したのです。戦争ですから景気が回復しても人々の暮らしは豊かではありませんでした。

さらに戦争中はモノが不足するため物価が上がり続けます。需要に供給が追いつかないのです。このままでは、いずれ値段が高すぎて何も買えなくなってしまうため国は「価格統制」をしました。国が価格を決め物価が上昇しないようにしたのです。

そして第二次世界大戦が終わり、多くの商品で価格統制を解除しました。

解除により再び価格が自由に変動しました。しかし、世界の金本位制は停止したままで、金融危機の引き金になる通貨供給操作が可能なことに変わりはありません。金本位性は、いままで説明してきたような国の貨幣価値(交換価値)を金に裏付けられた金額で表したものです。

その後、1948年に制定されたGATTは国際通貨基金による貿易収支均衡という実現不可能な任務を支援することを目的としました。

参加国は自国中央銀行が保有する金をアメリカに移送するのと引き換えに、国際準備通貨のドルを受け取りました。ドルが国際貿易の中央銀行間の標準決済手段となり、金の物理的な移動が不要になりました。

また通貨を金に交換できるのはアメリカ政府に限られました。アメリカ以外の国は金への交換が認められていないためアメリカのドルの供給拡大を抑える術がありませんでした。

これによりアメリカは特別な立場を手に入れました。

1971年にリチャード・ニクソン大統領はドルと金の交換停止を発表しました。以降、金は市場で自由に価格変動するようになりました。しかし、これはアメリカがドルを金と交換するという参加国との約束を破ったことになります。

そして各国の通貨でモノの売り買いをするため両替の手間と費用が発生しました。金のやりとりであれば、どの国にいっても金が使えました。しかし、各国の通貨が主流になったことで換金などムダな手間が増えたカタチです。

世界経済の統合が進むにつれてムダな手間と費用は増えていきました。外国為替市場は1日の取引高が5兆円に達するものの実社会に何の価値も提供していません。

世界中の経済が法定通貨という基盤の上で運営されるのは、現代がはじめてです。

法定通貨をコントロールできなかった国はハイパーインフレーションに苦しみました。ハイパーインフレーションは急激に物価が上昇することです。

近年ではベネズエラが265万%のハイパーインフレーションになり、国民は高すぎてモノが買えない状態になりました。政策の失敗と原油価格の急落が引き金になり、食料や日用品などあらゆるモノが品不足になりました。モノがないため希少性が高くなり物価が高騰したのです。

法定通貨の問題点は、健全性が政府の裁量に依存することです。金や銀や貝であれば簡単に製造できないためハイパーインフレーションとは無縁でした。政府が簡単にお金を発行できてしまうために起きるのがハイパーインフレーションです。

現代でも法定通貨が主要通貨として機能している理由は4つ。

  • 法定通貨での納税が義務付けられている
  • 銀行の口座開設や取引は法定通貨でしか行えない
  • 多くの国で法定通貨以外の貨幣の支払い違法とされている
  • すべての法定通貨は金または金準備で裏付けされた通貨で裏付けされている

貨幣について学びました。少しでも参考になればと思います!


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この記事を書いた人

猫でもわかるように仮想通貨情報を発信しています。難しい言葉を使わず、優しく説明することを心がけています。誰も置いてきぼりにしません!ワクワクすることを共有していきます。2021年から仮想通貨をはじめました。社会人しながらブロガーとして活動しています。

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