こんにちは、仮想通貨のブロガーをしている OkuriJun (@okuribitomato) です。
猫でも(誰でも)わかるように説明することを心がけています。この記事では猫でも楽しく読めるように仮想通貨(ビットコイン)がどのようなものか、物語(フィクション)でお届けします。
小説を読んでいるような感覚で読み進めてください。ビットコインのことがなんとなくわかるようになります。
実際のビットコインの誕生と近いことは話をしますが、フィクションです。
この記事は仮想通貨をはじめて触る人を対象に次の悩みを解決します。
✔ 物語でビットコインがなんとなくわかる
<プロフィール>
✔ Okuri Jun
✔ 猫でもわかるように説明する人
✔ ブログのはじめかた伝授
✔ 仮想通貨歴 4年
✔ NFT歴 2年
ロード・オブ・ザ・ビットコイン 〜第1章 仮想通貨のはじまり〜
いまから遡ること200X年。部屋でサトシはボケーっと天井を眺めていた。何か面白いことをしたいと考えていたが思いつかない。
ソファーに寝っ転がりながらポケットを探ると、100円玉を見つけた。
「こないだハンバーガー食べたときのお釣りだ」
財布を持ち歩くのが好きじゃないサトシはお釣りをそのままポケットにしまう癖がある。ポケットには他にもレシートがクシャクシャになったまま入っていた。「またやらかした」とため息が溢れた。
そういえばタケシに1000円貸してたな、と思い出す。タケシはピザ屋のバイト仲間で、なぜかいつも金欠気味。仕方ないから、たまにお金を貸している。
いまの時代ネットバンクがあるんだから、お金はデジタルで持てばよくないか?と頭をよぎる。貸したお金もインターネットですぐ送れればいいのに。
サトシは「デジタルなお金」の構想を思いついた。思いついたらすぐ試したくなる性格だ。
早速、デジタルなお金を管理するプログラムを作ってみることにした。大学でコンピュータサイエンスを専攻していたので、プログラミングはそこそこ得意だった。でも「デジタルなお金」の仕様がイメージできない。
サトシがやりたいことは3つあった。1つはお金を持ち運ぶのが面倒なのでインターネットの中で管理したい。もう1つは円とかドルとかユーロとか国で通貨が違うのがややこしいから世界共通で使えるお金にしたい。最後は誰にでもすぐに送金できるようにしたい。これが全部できたら便利でしょ!と考えていた。
考えているだけで確信がない。プログラムを作る前に便利かどうかテストをしたいと思った。
頼める相手がいるとすればバイト仲間のタケシとカスミぐらいしか思い浮かばなかった。早速、カスミに声をかけると「面倒だから嫌」と即答された。断られると思ってなかったため一瞬ムスっとした。いや、落ち着け!ここで引き下がったら試合終了だ!と一息ついて、交渉することにした。
交渉の結果、カスミは3回ご飯を奢ることで合意した。タケシはお金を貸していることもあり、あっさり引き受けてくれた。
「で、何をすればいいんだ?」とタケシが聞いてきた。サトシはカバンからジャポニカ学習帳を出した。「懐かしい、小学生のとき使ってた」とカスミが言う。
ジャポニカ学習帳を開くとデジタルなお金を考えていることと、ルールが書かれていた。
- 新しいお金の単位はBTCとする
- 1円 = 1BTC
- 毎月1人1000円のお金を入れる。1人1000BTCとなる
- お財布にお金を入れたらノートに入金したことを書き込む(例:サトシ 所持金 1000BTC)
- 何か買うときはノートに使ったお金を書き込む(例:サトシ アイス買う -100BTC)
- お互いにお金を送り合うこともできる(例:サトシ→タケシ 送金 100BTC)
カスミは理解できていない顔をしている「ルールが多くて覚えられないかも」
「遊びだから、やりながら覚えればいいよ」とサトシが続けた。
タケシはノート(ジャポニカ学習帳)を眺めていた。「単位のBTCって何?」
「あ、それは円とかドルとかの単位があるでしょ?。それを何にしようか迷って、デジタルデータの最小の単位がビットだからビットコインなんてどうかな、って思ったの。略してBTC」。なぜかサトシは自慢げだ。
「なるほどビットコインでBTCね。なんとなくわかった。やるのはいいけど1000円ないから貸して」とタケシは言い、サトシはしぶしぶ貸すことにした。サトシの言うがまま数日続けた。
日付 | 誰 | 行動 | BTC |
---|---|---|---|
2/1 | サトシ | 入金 | +1000BTC |
2/1 | タケシ | 入金 | +1000BTC |
2/1 | カスミ | 入金 | +1000BTC |
2/3 | サトシ | お菓子を買う | -100BTC |
2/4 | カスミ | タケシに送金 | -500BTC |
2/4 | タケシ | カスミから着金 | +500BTC |
数日後3人は集まった。「いい感じに履歴が記録されてきたね」とサイトが言うと、タケシは「よく分からないままだけど、こんな感じでいいんだな」と言った。
カスミの2月4日の履歴は何か訪ねると、タケシが金欠だから貸したという。タケシだから目をつむるとして、さらに続けることにした。
日付 | 誰 | 行動 | BTC |
---|---|---|---|
2/1 | サトシ | 入金 | +1000BTC |
2/1 | タケシ | 入金 | +1000BTC |
2/1 | カスミ | 入金 | +1000BTC |
2/3 | サトシ | お菓子を買う | -100BTC |
2/4 | カスミ | タケシに送金 | -700BTC |
2/4 | タケシ | カスミから着金 | +700BTC |
2/5 | カスミ | コーヒーを買う | -200BTC |
数日後サトシはおかしなことに気づいた。
「あれ? 2月4日にカスミがタケシに送ったのは700BTCじゃなくて500BTCだったよね?」
「そうよ、500BTCをタケシに送ったわ」
よく見ると消しゴムの跡があり700BTCに書き換えられていた。2人はタケシを見る。「な、なんだよ、オレが書き換えたみたいじゃないか」
「そうとしか考えられない!」
「ズルは絶対ダメ!」
2人から詰められたタケシは書き換えた罪を認め、そのあと30分怒られ続けた。
こういう事が起きないように対策をしなきゃ!とサトシとカスミは頭を悩ませた。
「鉛筆で書いたのが問題だったからボールペンにすればいいのかな?」
「でも最近は消せるボールペンも売っているし防げないかもね」
「じゃあ、みんなでそれぞれのノートを持つのはどうかな?」とカスミがつぶやく。「それってどういうこと?」「いまは1冊のノートしかないから書き換わっても気づきにくいし、防止も難しい。だから1人ずつノートを持って全員が履歴を管理すればいいのよ。みんなのノートに書いてある履歴が同じなら書き換わってないことを証明できるし、3人のうち1人でも書き換えたら、他の人のノートと履歴が合わなくなるでしょ?それで誰が書き換えたのか分かるのよ」
サトシは考えながら言った。「なるほど、それはいい案だね。でも、3人のうち2人が同時に嘘の金額で書き換えたら、嘘の情報が真実になるんじゃないかな?」
「そうなの。だから常に過半数の2人は正しい情報を書き続ける必要があるわ。この3人で嘘をつきそうなのは1人だけだから大丈夫よ」
タケシは冷たい視線を感じたので黙ることにした。
こうして3人はそれぞれでノートを管理することになった。それから1っヶ月経っても問題は発生しなかった。サトシはこれで行けそうだと確信した。しかし、何かモヤモヤする。このときはモヤモヤの正体に気づけないままだった。
ロード・オブ・ザ・ビットコイン 〜第2章 デジタルなお金の設計〜
サトシは数日考えたあとモヤモヤの正体を突き止めた。いまやっていることはお小遣い帳の管理であって「お金」ではない。もっとお金っぽくする必要がある。でもお金ってなんだろう?いままであまり深く考えたことがなかった。
わからないときは図書館で調べるようにしている。とはいえ地元の図書館に行くのはいつぶりだろうか。インターネットで調べる手もあるが嘘の情報も多いため、本の方が信頼できると思っている。
図書館に入ると本の独特な匂いが漂っていた。正直どの本が良いかわからず目にとまった本を手にとった「お金の教科書」「ゴールドの歴史」「経済とお金」。
本を借りて家に変えると部屋に籠もって一気に読んだ。
なんとなく足りない要素が見えてきた。まずお金を配る量をコントロールする必要があった。無限にお金を配ったらお金の価値がなくなってしまう。もし日本が毎月国民全員に100万円くばります!となったらきっとハンバーガーは値上げして1000円になってしまうのではないか。お金の価値が下がって、ハンバーガーの価値が上がっちゃう。
そうならないようにビットコインも配り方を考えよう。マクドナルドならハンバーガーを販売してお金をもらう。何かをしたらお礼にお金がもらえる仕組みだ。
そうなるとビットコインの場合は、入金や送金した結果をノートに書き込んでくれた人にお金を払えばいいんじゃないかな。ここでのお金はビットコインだから働いた分、ビットコインをもらえる仕組みにしよう。
少しビットコインの完成イメージが見えてきた。
あとサトシが気になったのが「ゴールド」。金はなんで価値があるのかというと地球に存在する量が少ないからだ。このエッセンスを取り入れたいと考えていた。
ブランドの限定の腕時計の方が、そこらへんの腕時計より値段が高いし、何より僕たちは数量限定という言葉に弱い。
だからビットコインも限定にすれば良いだろう。無限に作れるけど、あえて枚数限定にすれば価値があがりそう。
ここまで決めたらビットコインの設計が見えてきた。
- 単位は円でもドルでもなくBTCにする
- 売ったり、買ったり、誰かに送ったりできる
- いつでも円やドルと交換できる
- 枚数限定にする
- ノートに書き込んだ人にビットコインを支払う
これをもとに早速アプリの開発をした。数日徹夜してなんとかプロトタイプ(試作品)ができた。カスミとタケシを呼び出し、使ってもらうことにした。
「最初言われたときは、よく分からなかったけど便利そうだね」とカスミが言った。タケシはあまり興味がないようだった。
とにかく「デジタルなお金」を実現できそうなところまできた。改めてこれを論文にしようとサトシは考えた。
2008年サトシはビットコインの論文を書き上げた。これがビットコインのはじまりである。
この物語はフィクションです。難しい言葉をなるべく排除してビットコインのはじまりや考え方をなんとなく理解できる内容にしてみました。初心者でも楽しめることを第一に考えています。もし正確な内容を知りたい方は他のサイトや書籍で調べてください。
<事実>
・ビットコインを作ったのはサトシ・ナカモトという人物。
・ノート(ジャポニカ学習帳)がブロックチェーンと呼ばれる技術。
・ビットコインは2100万枚を上限としている。
・ビットコインには仮想通貨であり、円などの法定通貨とは異なる
ロード・オブ・ザ・ビットコイン 〜第3章〜
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